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シングル母のアメリカ暮らし

シングル母のアメリカ暮らし

Vegetable Soup

ただの野菜スープ。
こんなに単純なものが、これほどおいしいものなのかと知ったのは、上の息子がシュタイナー系のプリスクールに入った5年前。
週に1度、野菜スープを作る日があって、各自が野菜を持ち寄り親や子供が刻んでスープポットに放り込む。遊んでいる間に静かにクツクツいっていたそのスープを、スナックの時間にクラッカーなどと一緒に食べる。
初めて食べた時は、おいしくておいしくて3杯もお代りしたほどである。

その後、息子がシュタイナー校のキンダーガーテンに入学し、毎日スナックは先生が日替わりで作ってくれる事を知った。
オートミール、手作りパン、ミレット(きび)のおかゆ、パスタ、そして野菜スープ。
野菜スープだけは、迎えに来た父兄にふるまわれる。野菜しか入っていないのに、本当にいつもおいしいのだ。

今、うちでは時々冷蔵庫の残り野菜をありったけ入れて、野菜スープをたっぷり作る。
必ず10種類は野菜を入れる。何故だかいろんな種類を入れれば入れるほどおいしいのだ。息子のリクエストで人参とビーツは欠かせない。だからうちのスープはいつも真っ赤っ赤。実はうちの息子たちは野菜が嫌いである。いつも苦労して食べさせるのだが、この野菜スープだけは何故だか嫌がらずに食べてくれる。

これを食べてくれると、「とりあえず本日の勤めは果たした」という母の満足感も生れるので、一石二鳥である。


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